市川きよあき事務所

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グラフィックデザイン

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赤信号でVOGUE

自転車で事務所へ向かう途中に踏み切りがあり、踏み切りを渡ったらすぐ信号なんですが、いつもここでなぜだか赤信号。で、信号待ちしていると左側に古本屋。手が届きそうな外のラックに気になる本が並んでるもんだから、ついまたがったままペラペラしちゃう。で、結局ここで自転車を降りちゃいます。

「いや〜欲しそうなの置いてあるなぁ〜つい降りちゃうよ」
一冊を手に取り狭い店内に入ると、奥に座っていた店主はチョーイケメン。チョーもイケメンも古くさいけどやさ男風のチョーイケメン、やさ男が一番古かったか。とにかく無名塾出身と言っても通じる正統派の二枚目。古書店界一は疑いようがないですね。
前にいた店主のご親族かと思い「前はもっと年配の人がやってましたよね?」と聞くと、全く別の本屋だそう。しかも前のちょっと前も別の本屋。古書店というのは中身だけ変わるヤドカリのような店も多いらしいのです。つまり棚など内装は残して中身の本だけ持って移動、変えるのは店の看板だけ。なので新しい店に変わったことが分かりづらいけど経費は少なくてすみます。面白いですね。
古本屋というと、もう15年以上前に亡くなった父のことを思いだします。街一番の蔵書家だったので、残された本があまりに膨大でどうにもならず、結局、数年後大部分を処分することになりました。家族の誰もが興味が薄い哲学関係の本なんかが多かったのですが、素人目にも本の状態はとても良い。なるべく活用してくれる事を考えて、そっち系が強い神保町の古本屋さんを探して頼みました。神保町の○書房。その店主は若いけど落ち着いたなかなかの好人物でした。何千冊もの量を箱いくらではなく、全册を丁寧に見て良心的な鑑定をし、本が傷つかないようにと中が動かない構造になっている特殊な三トントラックで運んでくれました。それ以来、いまも仕事で何か探しものがあるとお願いしています。
「神保町の○書房さんて知ってる?」「えっ、○介さんですか」 オッ〜いきなり名前。
暗い奥に一段高く座りパソコン画面に見入っていたイケメンの顔がちょっと明るくなりました。狭いもんです。後日神保町の店主に話をしたら知ってるも何もな感じ。踏切を渡ると青信号でも止まれになる予感がしてきました。

途中下車して買ったのはこの一冊
「VOGUE WOMAN」
王族、女神、モデル、スター、社交界といった10のテーマ別に選りすぐりの写真120点とエッセイ、解説を掲載しています。英語が読めないので文字はさっぱりですが、さすがヴォーグ、写真だけで十二分に楽しめます。
フェイ・ダナウェイもモニカ・ヴィッティもカッコいいですね。

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