市川きよあき事務所

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グラフィックデザイン

日記

仲代達矢役者生活七十周年記念展

去年から今年にかけて仲代さんの展示の準備やらなんやら開催やらなんやらやっとりました。
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1952年に俳優座の養成所に入られた仲代さんは、今年なんと90歳になられますが、役者生活も70年になりました。顔見せでちょこっとだけ出るというのではなく、主役で舞台を半年間というのは、まさに現役中の現役。たいしたもんです。

今期の舞台『左の腕』は2021年の秋から2022年の春、4月までありました。東京公演は3月の頭、北千住のシアター1010です。そのシアター1010からギャラリーがあるので仲代さんの70周年を記念した展示を共催でやりませんかと 声がかかりました。といってもですよ、無名塾自体は秋から旅公演中、東京にいません。東京公演の直前まで本番があります。そこで市川に声がかかりました。ありがたいこってす、もちろん即OK。展示をやるのははじめてですが、長年無名塾の舞台のパンフを作ってきたので画像などの材料はけっこうあります。さっそく、とてもセンスがよいお二人に声をかけました。家具屋さんの吉川さんと塾員の江間さんです。吉川さんは展示の知識が豊富ですし、江間さんは衣裳や空間を生かすバランスが良いんです。吉川さんには全体のグレードアップと調度。江間さんには衣裳まわりをお願いしました。

現地を何度も見て一番の問題は壁でした。天井までがすごく高くて5mあります。しかもクリーム色の壁は経年劣化であんまり綺麗でない。そこで5mの壁をできるかぎり黒布で覆うことにしました。黒布の調達は実家の兄に。兄がいる実家の会社は織物の問屋をやっているのでダブル幅(150cm)の黒布を220mくらい入れてもらいました。約60mの黒い壁ができ、結果的にそのおかげで舞台っぽい雰囲気にもなりました。
こんな感じ。
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やってみたい事もありました。
一番やりたかったのは、仲代さん手書きの台詞を貼りつくした部屋です。仲代さんは毎舞台、すべての台詞を半紙に筆で書き、それを部屋に貼って覚えます。その台詞の束が丸ごと残してあるのを知っていました。仲代さんが実際に書いた台詞を壁1面に貼ったらどんなに魅力的だろう…。実際の展示で出来た部屋がこれです。
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俳優座時代からの衣裳も見ものでした。なにしろ1960年代の衣裳、60年前の衣裳の本物です。とってあるのも凄いことです。
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そのほか映画・演劇のポスター、舞台映像、宮崎さんの色紙画、貴重な映画の台本など
もりだくさんの内容でやれました。期間が8日間と少なかったので、また近いうちにどこかでやれたらいいなと思っています。
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