市川きよあき事務所

市川きよあき事務所

グラフィックデザイン

演劇

同じ作品にする違うアプローチ

グラフィックデザイナーやってますって言うと、横尾さんみたいな〜?とか言われたりしますが、違います。あの方はアーチスト。和田さんみたいな〜?は、キモチ近づきましたが、やはり大きく違います。我々はクライアントの意向にそって仕事をするアプローチ型のデザイナー。横尾さんや和田さんのような唯一無二の作品を作り、見れば誰の仕事なのかすぐわかるモノとはちょっと違っています。もちろんそれでも、自分っぽい個性は隠しても出ます。ぽいが出るから仕事が発注されるのかもしれませんが、ぽいものもにじませながらも精一杯アプローチします。
演劇のチラシを作っていると同じ脚本の作品にあたる事があります。それぞれ、制作や出演者が異なり、作品の捉え方も違うのでアプローチの方向も変わってきます。当然ビジュアルも違うものになります。

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6月の公演、テアトル・エコーの「おかしな二人」はそんなケース。左側のは、ずいぶん前にやったものですが、登場人物二人のキャラクターをイラストにしました。オシャレなイラストはソリマチアキラさん。右側の今回のテアトル・エコーのも最初はイラストを考えたんですが、ニューヨークの写真はどうかと提案され、作品が上演された当時の1966年のタイムズスクエアの写真をレンタルしました。現在のニューヨークを撮るのもありかと考え、ニューヨーク在住のカメラマンにロケハンしてもらったんですが、やはり時代の匂いには敵いませんでした。ジャック・レモンが歩いてそうですね。

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去年やった「あなたに会えてよかった」は原題が「Communicating Doors」これも実は以前エコーで「ドアをあけると…」というタイトルでやってます。出演者とテーマに重点を置いた方向とサスペンス調に仕立てられた本の内容にそった方向。まったく違いますが、それぞれのお芝居には合っていました。

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2009年は大変でした。子供のためのシェイクスピアと無名塾が同時に「マクベス」をやる事になったからです。無名塾マクベスは仲代さんをどう撮影するか、子供マクベスは100%ORANGEさんのイラストでどうギミックのある絵にするか。これも全く違うアプローチのビジュアルになりましたが、共通なのは色。黒と赤、不思議です。

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7月〜9月に公演がある「ハムレット」は10年前の再演です。こういうケースもあります。これはカンパニーが同じなので方向性も同じ。イラストはいつものORANGEさん、とここまで同じなのですが、ビジュアルも同じじゃつまらない。今回はオフィーリアを入れてもらいました。前回は苦悩が全面に押し出されていますが、今回のはハムレットの内に潜むオフィーリアへの優しさが感じられてステキな仕上がりになりました。
ぽい話になりますが、こういったおんなじ作品がきた時、もちろんディレクションは自分がやるのですが、デザインまで同じ人間がやるとぽいが出過ぎるオソレがあるんで事務所内で分けてます。違うアプローチを持った作品は、違ったぽいの仕上がりで育っていくのです。