市川きよあき事務所

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グラフィックデザイン

演劇

旅日記とベスト10

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「バリモア」のパンフレットです。
「バリモア」といえば偉大なる横顔と呼ばれたお方。バリモアの偉大なる横顔って左側だけなんです。正しくは偉大なる左側の横顔。バリモア本人の右側の写真がほとんどないので、右がどのくらい偉大じゃないのかがわからないんですが、なにしろ左がお気に入り。仲代さんはどちらもステキですが
バリモア役なんでやっぱり左側。ポスター写真から剣をとり横顔をシンボリックにトリミングしました。
今回の公演は無名塾のいつもの公演とはちょっと趣が違います。出演者も少ないし公演数も少ない。予算も小規模なんでパンフレットのページ数も限られます。限られるとかえって張り切って、いつもと違う事がやりたくなります。たいがいの演劇のパンフレットって、演出家の挨拶、出演者の写真とコメント、作品の教養的裏話に稽古場写真。だいたいこのパターン。演劇のパンフレットを毎月のようにやるんですが、こればっかりではつまらない。
今回のパンフレットは、仲代さんも大挑戦ですし、こちらもちょっと変えてみました。
ジョン・バリモアと仲代さんとは共通点は多く、一番は数多くの映画に主演しながら舞台俳優でもあり続けたところです。そこで「舞台」と「映画」という切り口で面白いものが出来ないものかと考えました。
ポスター撮影が終わった後、観劇のため渡米されることがわかっていたので、観劇コメント入りの旅日記はどうだろうと思い提案すると快よくOKいただきました。それが舞台の切り口
「仲代達矢の愛するブロードウェイ」
仲代さんのロス&ニューヨーク15日間の旅日記です。ブロードウェイの舞台は8本観劇。
映画祭でインタビュー受けたり美術館めぐりなどもあり、スナップ写真満載の楽しい内容になりました。普段着の仲代さんがニューヨーク闊歩しています。
もうひとつの映画は仲代さんが好きな洋画を教えてもらう企画にしました。
「仲代達矢の恋したスクリーン」
仲代さんに、主演された映画の事を聞くことはあっても。好きな洋画のことを聞いたものはほとんど見た事がありません。なにより自分が聞きたかった。仲代さんは俳優を志した若い頃、むさぼるように毎年300本もの映画を観ていたそうで、その中から忘れられない10本選んでいただきました。ベスト10から惜しくももれたんですが番外選んでいただいのが「春の珍事」。まさかこの映画を選ばれるとは…何回も観ても大笑いされたそうです。内容は、野球好きの科学者が期せずして作った「木材を嫌う魔法の薬」これを野球のボールに塗るとバットをよけて全部ストライクになってしまう。科学者はメジャーのピッチャーになり、ついにワールドシリーズに!というとんでもない話。明らかにB級。でもこれを選ぶ仲代さんてステキです。
今回のパンフレット、ほんとに面白い内容になりました。観劇の記念にぜひ!
といっても残念ながら
東京公演は完売のようです。
10月31日の北本公演がまだチケットがあるようなのでお急ぎください。