市川きよあき事務所

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グラフィックデザイン

デザイン

村田篤司さんの絵とノート展

イラストレーターの村田篤司さんが西荻窪で個展をやってます。村田さんは、リアルとイメージという二つのテイストを合わせ持った希有なイラストレーターです。卓越したデッサン力で表現する絵と子どもの落書きのような絵。こういう方ってなかなかいません。三谷幸喜さんの映画や、三丁目の夕日シリーズのポスターがリアルでそれ以外がイメージ。つまり普段のほとんどはイメージの世界のイラストレーターなんです。ですがたま〜にリアルを描きます。そのリアルも単なる写実ではなく、イメージの方からくる崩しが入ってるのでスゴく面白い。
http://www.atarum.jp/
自分が頼んだ仕事としてはテアトル・エコーの「日本人のへそ」がイメージ。無名塾の「ホブソンズ・チョイス」がリアル。どちらも素晴らしい出来映えでした。
それで個展に伺った時にオーナー交えて長々と色んな話をしたんですが、話は最初にすごくやりあった事になりました。(オレの言い分)だってこれでいこうって決めた方向から離れていっちゃうんだもん。ストリッパーを描いてもらったんですが、ラフをOKした後も次から次から絵がメールで届く。送ってくるのはすべていいんですが、打ち合わせとは違う。ドンドン離れていって終いには人間の形すらあやふやになる。よって、だんだんこっちも言い方もキツくなる。
今回改めて聞いたら、途中で模索しちゃうんだそうです。つまり1つのテーマ、1つの人物像を色んな方向、イメージで描き進めてキモを掴むのでしょうか? これじゃないんじゃないか、もっとこういう感じはどうかと悩むうちにアートの魔力のスパイラルに入っていくんでしょう。でも、え〜どうしちゃったの?って思いますよ。キツい言い方して申し訳なかったです。もう大丈夫ですけどね。
↓一度日記に載せた画像ですが、もう1回。 もめてもんだから素晴らしい絵になったのかな。
hesoposter.jpg

そんな創作の模索が文章とともに50冊以上のノートにまとめられているのが今回の個展のテーマ。1つの作品のための数々の試作や資料と一緒にその時の気持ちや気になった言葉が綴られています。その膨大なノートの中から、自分の作品のあたりを見ようとペラペラしてたら、「こんちくしょう!」って書いてあるよと横から村田さん。いや〜そこだけ破って捨てましょうよ。オネガイ…。
個展は5月27日まで(月・火休み)
http://www.mizunosora.com/event103.html