市川きよあき事務所

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グラフィックデザイン

日記

さよなら水晶よ

眼の中の濁った水晶。右眼は去年の春まではギリギリ見えていて、免許の更新もクリアしていたんだが急に悪くなったんです。ほとんど見えない。駅の柱の駅名も見えない。眼科の検査に行くと、冗談でしょって感じの、手で持つバカデカイCひと文字のパネルが置いてありますが、それが見えない。

5年くらい前になんとなく眼がかすむので恵比寿の眼科に行った時のこと…
「白内障ですね」
「白内障ですか?どうしてなったんでしょう?」
「肌をつまんでみてください、ピチピチですか?赤ちゃんみたいにピチピチですか?」
「(つまむ)…違います」
「そういうことです」
「…」
「老化です」

普通は20年後に心配することだろうから職業病なのかもしれない。
それから騙し騙しやっていて、医者も10年くらいしたら…まあ考えてもなんて言ってたんですが急にダメになった。そういう事もあるようです。
なにしろほとんどのお年寄りがやっているとはいえ、眼の手術。仕事の事もあるし眼は最重要箇所。聞き、勧められ、調べ、名医と言われるA先生が執刀する病院で両目同時日帰り手術をやることになりました。大丈夫そうに見える左の水晶体も曇っているらしく一緒にやるのをすすめられ両目同時。両目同時って?…ちょっと不安でした。東京ではほぼA先生だけのようです。

それが30日。よりによって、白内障の最後の抵抗のような雪。うっすら積もってきれいでした。が、滑ったら大変、すぐ脱げる靴をという指示でしたがガッチリスノーブーツにして向かいました。
その日は35人が手術。全てA先生の執刀です。
60~65例(片目を一例と数える)の手術が行われました。神業というかすごい体力と集中力。診察や目薬さしながら3時間くらい待って、手術前控え室へ。そこで点滴して血圧と心電図測る器具をつけ、手術時間は両目で10分くらい、右がすんだらすぐ左にいきます 。手術中は進行を穏やかな声で教えていただきました。痛くはなかったんですが、白内障をとり終えてレンズを入れるまでの20秒くらいが真っ暗になり、0の闇という感じで怖かったです。
人が多く忙しいゆえの居心地の悪さはありますが、初診に予約がいらなかったり、紹介料をとらなかったり、料金も高くないし良心的。問題は混んでいる事、診察もかなり待ちます。手術も今からだと6月。えっていうくらい先ですが難しい眼の人も全国から来るようなのでしょうがないかも。

昨日は手術後の診察日
「なんだか見えすぎちゃって、家が汚くて汚くて、あちこち掃除してたら気持ち悪くなっちゃたわよ〜」
「だめよ〜まだ動いちゃあ」
なんていうおばあちゃん達の声もどこか明るくはずんでました。