市川きよあき事務所

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グラフィックデザイン

日記

きしめんと鰹節

実家のあるのは愛知県の蒲郡市。高校は名古屋まで通っていました。通学に2時間かかるんで朝は6時22分の電車に乗ります。次が6時57分なのでこれをのがすと遅刻。でも1本しかないと案外遅刻しないもんです。遅刻するのは大概学校のそばに住んでるヤツです。逆に早めに学校に行きたい時は大変です。なんたって6時22分の前が5時9分の始発しかありません。東京から来る大垣行きです。車内はすっかり旅行気分の貧乏大学生や行商のおばあさんなんかと一緒で、洗面台が多めについてます。刈谷までは就寝扱いなのか消灯モードで、刈谷を過ぎると「ピンポンパンポ〜ンみなさまおはようございます〜」とアナウンスが入り明るくなります。大学生になってからお金がない時はよくこれで実家に帰りました。
帰りは帰りで、ちょっと遅くなるとお腹がすいてしまい、名古屋駅ホームの端にある立ち食いのきしめんをよく食べました。熱々のつゆにもちっとした麺、そこにドサッと鰹節。美味しかったなぁ、やっぱりきしめんには鰹節です。

ほんで今の自由が丘の話です。自由が丘はオススメなお蕎麦屋さんがありません。昔ながらのか高いのかどっちかです。普通に良いのがない。それでもきしめんを食べたくなった時は、駅近の高めなお蕎麦屋さんに入ります。ここのきしめんは美味しいです。先日、田ごときしめんというのを注文した時のこと。この田ごとには色んな具が入ってて美味しいんですが、鰹節がのってないんです。いつもそこが不満だったので、料金は少し上がってもいいので鰹節をいただけないかと頼んでみました。しばらくして店員さんが困った顔してテーブルの横にそそそっと近寄り「…すみません…なんだか単品扱いになるみたいで…すみません…頼みませんよね…なしでいいですか?」
「えっいくらになるんですか?」
「…単品扱いで…250円です…じゃそのままで」
あまりの値段にびっくりこきましたが、こうなりゃ意地です。
「いいです。お願いします。」
「えっ250円ですが……わかりました」
きしめんに続いて単品扱いの鰹節が来ました、藍染付の上品な小皿にのってます。削ったのじゃなくあきらかに袋詰めのやつです。しかも多い。のぞんだ味にはなりましたが、ただでさえ高いきしめんがべらぼうになりました。まったく融通って言う言葉を知らんのかなぁ。