『7日間ブックカバーチャレンジ 』というのが、SNS上で流行っております。コロナで家にみんないるので、何かしらつながっていこう!読書文化の普及に貢献しよう!みたいな感じです。チェーンメールっぽいからお断りっていう堅物もいますが、こちとらお構いなし。で、7日間好きな本を紹介する 『7日間ブックカバーチャレンジ 』にのっかりました。チャレンジってほどじゃないけどね。そもそも7日間じゃ全然足りない、80日間世界一周しちゃうくらい紹介したいです。とりあえず影響された本を並べました。う〜ん小説が入ってない。
1.和田誠『お楽しみはこれからだ』
キネ旬に連載されてました。映画の名セリフと似顔絵と和田さんのうんちく。映画好きになり、ゆくゆくデザイナーになる きっかけになった1冊です。なんどもなんども読んだのでかなりボロボロ。
2.高野文子『るきさん』
ファンです。純粋にファンです。寡作ながら次回作にいつも驚かされます。そして全ての本が愛おしい。なかでも愛すべき一冊。サインしていただく機会があった時にまよわず『るきさん』を選びました。
3.フィリパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』
夢中になって読んだ本。児童文学でオススメするならこれですね。友人が入院した時にもっていく本の中に必ず入れ、喜ばれます。
4.植草甚一『スクラップブック』全40冊。
日本の雑学の草分け。その植草さんのすべてが詰まったシリーズ。どんどん読みすすめたいんだけど、こっちの知識がなさすぎて内容の面白さが今ひとつわからない回ばかり。なのでまぁまぁわかる映画とかヒッチコックとか回だけ残してあります。付録で毎回手書きの日記が付いているんですが、これが面白い。スクラップブックは復刻版が出てるので手に入りやすいし、日記は日記だけを集成した『植草甚一コラージュ日記』が出てるようです。ぜひ。
5.滝田ゆう『寺島町奇譚』
なにもかもが好き。「前略おふくろ様」というテレビドラマのタイトルバックに滝田ゆうの絵が使われていて、そこから本格的に読みはじめました。もう30年も前に亡くなってしまった方ですが唯一無二の絵。サイン本を持ってたんですが行方不明になり、しょぼくれてます。滝田ゆうさんは落語やお酒に関わる本も多いんですが、まぁ、まず『寺島町奇譚』
6.和田誠『倫敦巴里』
またまた和田さんです。敬愛するおじさんに教えてもらったものすごい本。和田誠が似顔絵を描く画家というのは誰でも知ってますが、絵にとどまらず文体や作風、演出まで似せるとは驚きです。唸ります。あんまり凄いので古本を何冊も買って、わかってくれそうな人にプレゼントしてます。これも復刻本が出たのでお求めやすくなりました。
7.『チエーホフの風景』
1904年に亡くなっているのに驚くべき量の写真と資料が盛り込まれた大著です。同時代の著名人と比べても圧倒的。こんなに写真が残ってる人がいるだろうか。チエーホフは写されるの好きですね。まあハンサムだし、ナルシスト。チエーホフが好きでこれから上演したい人はこれ一冊あれば充分。大満足の一冊です。
ブックカバーチャレンジ 番外編
『Xへの手紙』
父が亡くなってもう20年以上になります。亡くなってしばらくして、父が育った明治に建てられた家を、市の区画整理でやむなく壊すことになり、そのいまにも崩れそうな本棚に残っていたのがこれ。父が大好きだった小林秀雄の『Xへの手紙』、昭和24年発行。青山二郎の装丁です。
『芭蕉俳句集』
父の叔父にあたる中村俊定先生が編纂された本です。芭蕉の研究家であった俊定先生は、親戚中から東京のおじさんとよばれ尊敬されていました。おじさんも亡くなられて35年以上経ちましたが、東京に出てきた頃は、雪ヶ谷の家によく遊びに行きました。大先生なので話を聞いてるだけでしたが
「おれが芭蕉やっとるのに、息子も孫も甥っ子も誰も興味をしめさなかった」と言ってたのを思いだします。
小林秀雄も芭蕉もこれまでは深く入ってこなかったけど…
少しこれから変わるのかな。