今年も年賀状作りという憂うつな時期がやってきました。いいアイデアがなかなか出なくって、12月入ったらもう気分が落ちこんじゃってダメ。仕事のことより悩みの種です。来年の干支の虎のモチーフに絞って考えてるんですがダメ。願わくば虎を出さずに虎をイメージさせて、なおかつ前向きなり、やる気が出してる感があるようなのが望ましいんですけどね。
色々考えたり、ボーッっとしたり、ボーッっとしながら考えたりしてたんですが、ふと「ちびくろ・さんぼ」のバターになったトラはどうだ!とヒラメキました。そう、さんぼますたーとはバンドではなく絵本の事なんです。すみません。そんで、なんとなくいけるような錯覚がして、さっそく原本をヤフオクで買いました。絶版前のと復刻のと2冊です。
「ちびくろ・さんぼ」は、もともとはスコットランド人のヘレン・バンナーマンという人が、インドに滞在していた時に自分の子供たちのために書いた手作りの絵本だったそうです。それが1899年に知人によってイギリスでバンナーマンの書いた絵のままで出版されたのですが、またたく間にいろんな海賊版が出回ってしまいました。
その当時はちゃんとしてなくって、「ちびくろ・さんぼ」は著作権がないとみなされてしまったからです─悲しいですなぁ。私たちが知っている岩波書店から(昭和28年、初版)出版されてたのもその中の一つ。岩波版の売り上げが120万部とものすごかったもんだから、海賊版なのに定本オリジナルになってしまいました。それから月日が経って、差別やらなんやらで問題になり、1988年に岩波版はじめ他の「さんぼ」もすべて自主絶版となったわけです。
なんで大丈夫になったのかわかりませんが、岩波版の復刻版は瑞雲舎から2005年に出てました。今回その二つを取り寄せてわかったんですが、面白いことに違ってる所があるんです。
まずタイトルのロゴ書体が違う。昔の方がいいですねぇ。
あと文章が微妙に違っているとこが何カ所かあります。例をあげると
おなかが へっていましたのでね。→おなかが すいていたのでね。
そんな表現の違いを見ながら、翻訳家に許可取ってちゃんと変えているのかな、なんて思ってたらすごいのがありました。
さんぼの食べたホットケーキの数が違う!
196?169?これは大問題じゃないですか~
そもそも食べ過ぎも食べ過ぎなんですけどね。これがホットケーキ屋の一日の売り上げだったら大繁盛ですよ。ちなみにホットケーキの1枚あたりのカロリー調べると約280キロカロリー、196枚だと54880キロカロリー、169枚に減ると47320キロカロリー。どうでもいいことですが、7560キロカロリー減です。ギャル曽根さんにいつか挑戦してもらいたいものです。169枚は無理だと思うけどどうだろ。そんで、この違いがどうしても気になって瑞雲舎に電話かけて聞いたところ「岩波さんが間違えてたんだよ~」とのことでした。まっそんなことかなとは思ってましたが面白かったです。
しかし、改めて読んで見ると、この「ちびくろ・さんぼ」、話自体面白いんですけど、どこに共感もったらいいのかわからないへんてこなお話ですよね。トラがバターになるわっきゃないし、169枚もホットケーキ食べるわっきゃない。冗談ですがホットケーキ食べ過ぎでお腹こわすこどもが出やしないか心配にすらなりますよ。自分が読んだ時のことは忘れているので、こどもが初めて読んだらどう感じるのかどこが面白いのか気になりますわ。姪っ子に聞いてみようかな。
さて肝心の年賀状はいまひとつの感じなんですが、さんぼますたーになったのでヨシとしますかね。