ロゴとタイトルっておんなじように思われがちですが、取り組み方が違います。ロゴは広い解釈を持たせ、汎用性を常に考えなくてはいけませんが、タイトルは、例えばお芝居のチラシのタイトルを作る場合なんかは、中身と直結するモノが理想です。つまり内容をよく理解してから取り組まなくてはなりません。チラシを作る時には、まだ稽古が始まっていないので中身の理解といっても想像しかできませんが…
タイトルを作る仕事の流れは、ほとんどの場合台本を読んでチラシのメインビジュアルの方向を決めてからとりかかります。(例外で商業系の演劇の場合は宣伝が先行して動くので、メインビジュアルがきまる前にタイトルだけ先に作ります。)そして、決めたメインビジュアルに入れるタイトルはとても重要。タイトルデザインが良くないとどんなにビジュアルが素敵でも台無しです。
ところで台無しの台って何が乗る台なんでしょうか? 突然こういうことって気になりますね…台が無いって面白い言葉です。「校長先生の挨拶、今日台無しかよっ」と言っても校長が地面で喋るってことじゃないですし…台が無いというのと、台無しって意味が違うし…それました…だいぶん…調べました。仏像が乗る台座のことですって。台座大事なんですねぇ。
タイトルに戻ります。メインビジュアルを考えながら入れる場所をふまえ、まず手で描きます。それをスキャンしてトレースして直していく場合が多いです。出来上がったらメインビジュアルと合わせるわけですが、行けそうと思って書いても全然違ってることも多く、いけると信じた自分に幻滅しながら何回もやり直します。もちろんパソコンや巷には大量の書体があります。ですが、やり直しを繰り返し試行錯誤して作った文字には敵わないと勝手に思っています。
最近の仕事から
これは書体じゃないの?って感じですが、実は既成の書体を参考に一から書いています。
他人の目と洗い屋稼業は既成の書体を下に敷いて、上からなぞりました。以前そんなのを見たことがありやってみたかったのと、連続公演なので同じ書体で二公演の繋がりを出したかったのであえて同じ表現に。
請願は迷ったあげく、フリーハンドで書いて下のクシャクシャを足しました。
商業演劇系のタイトル。他のタイトルと取り組み方は同じですが、先行してタイトルだけ出るので単体で絵になり、お芝居のシンボルになるように考えています。
大体タイトルが決まればチラシは80%完成です。…じゃないかな?