市川きよあき事務所

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グラフィックデザイン

日記

失敗した時思う事

毎週、何かしら入稿して、何かしら印刷して納品していると、気をつけているつもりでも失敗があります。絶対あってはいけない事なんですが、最後のチェックが足りずに失敗します。不吉な電話はたいてい朝かかってきます。起きて携帯見て、立て続けの着信履歴を見つけた時は、不吉を受け入れる覚悟が必要です。ゾッとします。デザイン段階のこともあるし印刷でのこともあります。先日も印刷段階で一つあり、刷り直しました。厳密には自分の失敗ではないんですが印刷も管理しているので責任はあります。迷惑もかけるし収入も減るので凄くショックですが、こういう失敗する度に思いだす教えられた言葉が二つあります。
一つはスポーツウェアのカタログで大失敗した時の事です。カタログが納品されて、出来をスタッフから誉められ、みんなでニマニマして刷り上がり見ている時に、一人静かに現実に引き戻されました。サッ~と音が聞こえるくらい血の気が引きました。。ズラーッと並んだウェアの中に一つだけロゴが逆に付いているんです。思いっきりわかりやすい逆判!その時はポジフィルムでしたが、裏表逆に入稿していて色校でも気がつかなかったのです。
もちろん刷り直し。そしてクライアントに謝りに行った時のことです。なんとクライアントの社長から「いや~申し訳ない。何度も見たのに気づかなかったよ」
と逆に謝られました。その事を戻って当時の社長に伝えると「ミスをした時に今までの付き合い方がわかる。険悪にならない付き合いをしなくちゃダメなんだ。」と教えられました。次が無くなってはオシマイだからです。
もう一つは大手広告代理店と仕事をしていた時の事。営業のオリエンの方向性を信じて時間をかけてプレゼンしたんですが、オリエンが間違っていてプレゼンがやり直しになったのです。オリエンの失敗です。時間もないのでふてくされて怒っていたら、同僚に言われました。「よかったじゃん。もう一回いい案考えられるんだから」もっといい案を考えられるチャンスだと言うんです。その同僚は若くして亡くなりましたが失敗する度に顔を思いだします。なかなかそこまではすぐ切り替えられないんですけど目が覚めました。
失敗しない方がいいに決まっています。ただ失敗した時、失敗するまでの相手との付き合い方、そして失敗した時に、前向きにもっといいモノを目指す姿勢が大切だと教えられました。
今回も刷り直す時、現場のスタッフに、「どうせ刷り直すんだから前よりよくしよう」と声をかけて、みんなで相談しながらやったんで微妙ですが良くなりました。…なった気がしています。
まぁ元来、チェックが甘くミスが多い方なんでそっちの改善が一番なんですけどね。刷り上がったモノなんて誤植や間違いが怖くてまず見ないですわ。