市川きよあき事務所

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映画

ゲオからツタヤへ

近所のゲオが無くなってしまい仕方なく遠くのツタヤに行っています。ゲオで1週間50円のこともあった準新作を390円で借りなくてはならない。390円はないだろうと思っていると4本なら1000円になるという罠に引っかかってついつい沢山借りてしまう。見逃している映画も多いのでここぞとばかり色々観てます、その中から…
「インサイド・ルーウィン・ディヴィス」
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なにはなくともコーエン兄弟は観ちゃうんですが、今ひとつでした。猫がでていたからなんとか最後まで持った映画。途中で猫が変わってる事発見しながら観ました。猫侍と同じですな。だいたい猫侍でも籠に入れて運ぶよ。飼い猫でもないのにただ手で持って運ぶ事自体が不自然。「ハリーとトント」と絵面がそっくりですが、あのぐらいの仲になっても移動中はひも付き。音楽がらみの作品でいうなら「オー・ブラザー」の方がずっと良かったし、ミュージシャンの映画ならドキュメンタリーですが「シュガーマン」には遠く及ばない。期待が大きかったからガッカリも大きい。だけどコーエン兄弟作品は次もまた観ますね。
「ジャージーボーイズ」
まずウッディ・アレン調の客に語りかけるのがイヤ。あれで冷めました。ほんで前半が退屈。正直クリントイーストウッド作品でカタルシスを感じたことがないんで彼とは馬が合わない。曲だけ。監督の演出と波長が合わない。ほぼ同じ構造の「キャデラックレコード」の方が面白かったかも。ただ舞台はすごく面白そう。生であの展開であの曲なら間違いないでしょう。
「そして父になる」
是枝監督という事である程度わかっていたけど、想像こえる巧さにうなりました。すごく面白かったです。観る前から子どもを間違えられる話と知ってても引き込まれる。一人一人の人間がちゃんと計算され訓練され描かれている。福山が出てるってことがちょっと遠ざけていたけど福山じゃなきゃダメだった。お見それしました。タレントがお芝居してるって印象が変わりました。ガリレオとかもうやんない方がいいんじゃないかな。またリリー・フランキーのいいこと。10年くらい前まで自分の中では安斎肇に似た感じのイラストレーターって認識でしたが、頭と勘のすごくいい人なんでしょうね。彼を観てると役者の訓練って何なんだろうって考えちゃいます。好きなものがいっぱいあること、役を面白がってリラックスして集中すること、なのかな。自意識も高いんでしょうしどっかで屈折もしてるんでしょうが、それも含めて役者に必要な部分が備わっている。ぐるりの時は絵が描けるからなんだと思ったけど、今回電気屋さんに見える。感服。あと四人の大人の中で、結婚し子どもがいるのは真木さんだけ。だからなのか子どもとふれあう時の強さと優しさがステキでした。彼女の作品の中でも一番良かったです。
2013年のキネ旬1位は「ペコロスの母に会いに行く」。「舟を編む」が2位で「そして父になる」が6位ですが、ペコロスはつまらなかった。圏外。なら「そして父になる」と「舟を編む」でどちらかというと完成度や巧さでは「そして」なんだけど作品の力は「舟」。自分が選ぶなら1位「舟」で2位「そして」ですね。
「そこのみにて光輝く」
そこへ行くと、この映画が2014年度のキネ旬1位ということなんですがあんまり面白くなかった。去年は不作だっのかと思ってしまう。ダメじゃないけど、生々しく密に表現されてるだけでストーリーや展開に新しさはない。長いしある意味予定調和。おそらく30年くらい前に書かれていると思いますが、今観ると時代の焦点が微妙にずれててなんだかしっくりこない。「海炭市叙景」の方がずっと面白かったです。ただ弟役の菅田将暉、彼にはビックリしました。よく調べたら舞台もよくやってる役者さんのようですがスゴく良かったです。こんなにいいと思った若い人は最近ないかも。観終わってすぐ誰なのかパソコン立ち上げて調べました。主役の二人も高橋和也もいいけど、あの弟の役はそうそうできないなって思いますね。これから日本を代表する役者さんになるような気がします。