キネ旬とはキネマ旬報のこと。映画のランキング、ベスト10で一番信用でき、格も高いのがキネマ旬報ベスト10であります。お若いかたはあまりご存知ないかもしれませんが、なんと創刊が1919年、ベスト10も今年で82回。映画通雑誌=キネ旬=映画ベスト10なんですね。現在はあまり売れ行きが芳しくないので常に廃刊の香りが漂ってます。ワタクシ考えますに、持ちこたえてるのはベスト10があるからじゃないかと…
選考方法はいたってシンプル。映画評論家なんかが1位~10位までをそれぞれが決め、1~10までを点数として映画につけていきます。1位が二つあるとかはダメです。それで合計点の高いものから順位がつきます。だから必ずしも1位点が多いものが1位となるわけじゃないんです。
ちなみに1983年の日本映画ベスト10選考表がこれ。
水野晴郎さんは細雪を1位(キネ旬2位)に小森のおばちゃまは南極物語(キネ旬21位)を1位に付けてます。人それぞれで面白いです。
前置きが長くなりましたが、2007年度ベスト10入りした映画を借りてきて2本観ました。それがサンザンでした。キネ旬ベスト10の権威がなくなったのか他になかったのか…寸評です。辛口ですいません。
しゃべれどもしゃべれども(第3位)
なんとも中途半端。まずしゃべれどもしゃべれどもって映画になってない。しゃべることの怖さや楽しさが伝わってこない。芸人の怖さを描いた小説、藤本義一の鬼の詩を思い出しました。枝雀さんとも重なります。あんなにハードじゃなく明るくていいんだけど期待はずれでした。ちりとてちんとの違いが見たいですよね映画ですから。子役だけすごくよかった。
サッド・ヴァケイション(第4位)
時間の無駄。なぜこの映画が撮りたいのかわからない。なぜこの映画に俳優が出たいのかもわからない。おそらくラズベリー。好きな俳優の光石研のシーンがすごく長くて…閉口。しかし、そこだけはなんだか残ってます。うさぎが出てこなかったら最後までみなかったですよ。
ちなみに2007年ベスト10はこれ
第1位 それでもボクはやってない 監督:周防正行
第2位 天然コケッコー 監督:山下敦弘
第3位 しゃべれども しゃべれども 監督:平山秀幸
第4位 サッド ヴァケイション 監督:青山真治
第5位 河童のクゥと夏休み 監督:原恵一
第6位 サイドカーに犬 監督:根岸吉太郎
第7位 松ヶ根乱射事件 監督:山下敦弘
第8位 魂萌え! 監督:阪本順治
第9位 夕凪の街 桜の国 監督:佐々部清
第10位 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
2006年のベスト10入りした作品はというと、嫌われ松子の一生(第6位)、をはじめフラガール(第1位)もゆれる(第2位)も明日の記憶 (第8位)もまずまずだったのでワタクシ的には2007年は不作だったのかもしれませんが…ですけんどキネマ旬報の上位というだけでDVD借りようというモチベーションが上がるので選考委員の方よろしくお願いいたします。それより映画館で観なきゃなんですけどね。